公益財団法人 栃木県産業振興センター

ご寄稿
中小企業の活性化について

 栃木県産業振興センターは、県内中小企業の企業活動を支援するため、国、県、商工団体等の産業界及び大学等の学術研究機関等との連携を密にして、高度技術の開発、創業や新分野進出など新事業の創出支援、経営革新に関する諸事業を総合的に推進している支援機関です。
 具体的には、創業から研究開発、事業化まで各企業の発展段階に応じた様々な支援をしており、特に、県内産学官金33機関で構成する「とちぎ産業振興ネットワーク」の中核的支援機関として、企業ニーズにワンストップでサービスを実施しています。
 当センターが実施している県内中小企業の活性化を図るための「主な取り組み」を御紹介いたします。

創業・新事業の創出

 日本における起業活動の水準は、世界最低レベルであり、最近の開業率でみると、英米では開業率が10%程度であるのに対し、日本はその半分の5%程度(総務省調査)で低迷し廃業率を下回っているのが現状です。
 しかしながら、起業を通じたイノベーションは、新たな事業や産業の創造と多くの雇用を生み出すという観点から非常に重要であり、当センターといたしましても、様々なメニューを用意し支援しているところです。
 具体的には、創業希望者の掘り起こしや、創業への不安・悩み等から創業に踏み出せない未創業者を対象とした交流会を開催し、同じ志を持つ方同士が自由に意見交換等を行うほか、上場企業の経営者やオンリーワン経営者等を招き、自社が成功した秘訣・実体験等の話や先輩起業家としての助言をもらうことにより創業への後押しを行っています。また、併せて創業実践相談会を開催し、ビジネスプランの作成や創業に関する県等の支援施策、創業時の種々の問題点などの相談に対応しています。
 さらには、創業を強く希望する方を募集し、ビジネスプランの練り上げを集中的にサポートするとともに、税理士、弁護士等による専門家相談会を開催し、創業に当たって必要な実践的な相談(税務、企業会計、各種契約書の作成、各種届出等)に対するアドバイスを行っています。
 また、資金面においては、国の地域需要創造型等起業・創造促進事業(創業補助金)の栃木県事務局として、女性や若者の地域での起業や後継者の新分野への挑戦に対して、その創業等に要する経費の一部を助成しています。具体的には、次の3つのケースの場合に補助をしています。
 ①地域の需要や雇用を支える事業を興す起業・創業、②既に事業を営んでいる中小企業・小規模事業者において後継者が先代から事業を引き継いだ場合などに業態転換や新事業・新分野に進出する第二創業、③海外市場の獲得を念頭とした事業を興す起業・創業。 これらを支援することにより、地域における需要の創出・取り込みや、中小企業・小規模事業者の活力の回復・向上を促すことで、地域経済の活性化を図るものです。

専門家やメンターの派遣

 中小企業・小規模事業者の経営課題・経営支援ニーズは、内外環境の変化により複雑化・高度化・専門化しています。こうした中、国では中小企業の成長を後押しするため、起業・成長・事業承継等のビジネス段階毎の経営課題・相談ニーズに応じて、きめ細かく対応できる経営支援体制を構築するための支援ポータルサイト(ミラサポ)を開設しました。
 このサイトは、経営の悩みに対する先輩経営者や専門家との情報交換や相談等の場を提供するとともに、高度な経営分析等を行う専門家の派遣を実施し、中小企業等の新たなビジネス創造や経営改革等をサポートするものです。
 また、当センターでは、中小企業が抱える経営、技術、人材、情報化等の様々な課題に対し、研究開発や経営に関する豊富な経験を有する企業OB等のメンター、あるいは中小企業診断士等の専門家を派遣し、現場におけるアドバイスや指導を行うことにより、企業の技術・経営革新の促進を図るとともに、活力ある中小企業の発展を支援しています。

ファンドの活用
地図

地 図

 当センターには、「とちぎ未来チャレンジファンド」と「フードバレーとちぎ農商工ファンド」の2つのファンド事業があります。
 1つ目は、「とちぎ未来チャレンジファンド」です。このファンドは創業や地域資源を活用した新たな事業展開等を支援するとともに、県が定めた「とちぎ産業振興プロジェクト」に基づき、自動車・航空宇宙・医療機器・光・環境の5つの産業分野等の振興、発展を図るものです。
 このファンドは、大きく2つの分野に分かれており、1つ目は、創業・新事業展開推進分野で、中小企業者及びそのグループ、産業支援機関等が行う、「地域社会と密接に関わる商業・サービス業等の創業」や「新たな事業展開」に要する経費に対して助成するものです。2つ目は、自動車等の特定産業振興協議会又はフードバレーとちぎ推進協議会の会員である中小企業者及びそのグループが行う、「特定振興産業又は食品関連産業分野における技術の高度化、新技術・新製品の開発」及び「中小企業者等が販路開拓のために行う、特定振興産業又は食品関連産業に関係する展示会への出展」等に要する経費に対して助成するものです。
 2つ目は、「フードバレーとちぎ農商工ファンド」です。県産農産物等を活用した県内中小企業者と県内農林漁業者との連携体による取り組みを支援することで、農業及び食品産業をはじめとする食に関連する産業の振興を図るものです。
 この事業は、中小企業者等と農林漁業者との連携体による新商品等の開発、創業、販路開拓、研究開発に要する経費の助成及び支援機関が行う農商工連携体の取り組みを支援するために実施する事業に要する経費に対しての助成です。
 当センターでは、県内中小企業の活性化のため、以上の事業の他に人材育成や下請中小企業の振興、知的財産の取得・活用など様々な角度から事業を展開していますので、是非身近な支援機関として御活用くださいますようお願いいたします。

私たちは、こんな支援をしています
●経営全般について支援します
●専門家を派遣します
●創業、新事業創出を支援します
●新技術/商品/サービス開発を支援します
●“フードバレーとちぎ”を推進します
●知的財産の取得・活用を支援します
●人材育成を支援します
●企業経営に役立つタイムリーな情報提供
●商店街・温泉街の活性化や建設業の新分野進出を支援します
●自動車産業等の発展を支援します
●受発注取引のあっせんを行います
●海外ビジネスを支援します
●センター会員制度を実施しています
公益財団法人 栃木県産業振興センター

〒321-3226 栃木県宇都宮市ゆいの杜1-5-40 とちぎ産業創造プラザ内
TEL 028-670-2600
URL http://www.tochigi-iin.or.jp

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栃木の活性化の起爆剤に。