宇都宮市長 佐藤 栄一

宇都宮市長インタビュー
新たな時代に飛躍する産業都市の実現
産業力を底上げ、未来産業を創造
宇都宮市長 佐藤 栄一

宇都宮市長 佐藤 栄一

 宇都宮市は、古い歴史と美しい豊かな自然に恵まれるとともに、市内を東北自動車道や東北新幹線、北関東自動車道が貫通する交通の要衝であります。また、日本有数の工業団地や多様な企業が集積しており、多くの教育機関・研究機関も立地しているなどの地域特性を活かし、北関東の中枢都市として、地域経済の成長を牽引してきました。
 しかしながら、近年の長引く経済成長の停滞や国内外の社会環境の劇的な変化による産業構造の転換によって、本市産業は新たなステージを迎えており、地域産業の創造性・発展性を高めるためには、市民・事業者・行政が一丸となって「新たな時代に飛躍する産業都市の実現」を目指していく必要があります。
 こうしたことから、本市の活力の源である地域産業が持続的な発展を遂げていけるよう、平成25年3月に策定した「第5次宇都宮市総合計画改定基本計画」におきまして、「産業力底上げ『未来産業創造』プロジェクト」を掲げ、「イノベーションが期待される産業の育成」、「企業集積・立地の促進」、「高度技術開発の促進」、「産業を支える、多様な人材の育成・確保」などに取り組んでいるところであります。

本市経済を支える中小企業

 本市経済は、本市の事業所数の約99%を占め、従業員数では70%を占める中小企業によって支えられています。中小企業が元気になることが宇都宮の発展には必要です。地域経済の発展や地域間競争に対応するためには、市内の中小企業に対する支援を継続して充実させていく必要があります。

イノベーション(技術革新)創出促進

 まず、本市産業が持続的に発展してゆくためには、中小企業の新しい技術やアイデアに基づく新たな価値の創造、いわゆるイノベーションの創出が欠かせないことから、「イノベーションが期待される産業の育成」のために、本市産業を牽引する次世代モビリティ産業のほか、環境・エネルギー分野や医療・福祉分野などのイノベーションが期待される産業を重点的に育成し、裾野が広く、足腰の強い持続可能な産業基盤の確立を図ってまいります。
 具体的には、今年度から医療・福祉分野において、病院や福祉施設などの現場の課題を、市内の中小企業の優れたものづくり技術によって解決することにより、新たな事業やビジネスに結
びつける取組を開始したところであります。

企業集積・立地の促進

 次に、本市からこのようなイノベーションが創出されるためには、多様な業種の企業が数多く本市に立地し、相互に刺激し合う環境が必要であることから、「企業集積・立地の促進」のために、引き続き、新たな企業の誘致に取り組んでいくとともに、地域企業間のネットワークを強化し、地域産業の活性化や雇用機会の確保・拡大などを図ってまいります。
 具体的な取組としましては、市内工業団地に新規立地・増設を行う企業に対し、企業立地補助金・企業拡大再投資補助金として、土地・建物・設備の取得額の一部を補助しており、今年度からは、対象業種、助成内容等を拡大して、支援を充実させ、さらに企業集積や立地・定着を促進しているところであります。

高度技術開発の促進

 また、多様化・高度化する消費者ニーズや国際競争の激化などへの対応を図るためには、中小企業における知恵と想像力を生かした「高度技術開発
の促進」が重要であります。
 現在、中小企業高度化設備設置補助金としまして、中小企業の皆様が技術の高度化・合理化を促進する目的で設置した機械設備の一部に補助を行っているところであります。
 この補助金は、多くの中小企業の皆様から、毎年、予算を上回る申込みをいただいているところであります。
 また、制度融資としまして、平成24年度は全体の実績として2,793件、158億円を利用していただいています。中でも中小企業運転資金、緊急景気対策特別資金が件数で63%、金額で65%を占めております。
 平成24年度には、東日本大震災を教訓に、事業継続の確保が重要であるとの考えから、耐震・免震・制震対策資金を新設しました。
 平成25年度からは、金融円滑化法の終了による中小企業への影響を最小限にとどめるため、市独自の制度融資としまして、複数の借入金の債務を一本化し、返済期間を延長することによる月々の返済負担の軽減を図るため、新たに経営安定化借換資金を導入したところであります。
 市制度融資は、社会情勢、経済状況に対応し、中小企業の支援を行っております。
 これからも、これらの補助金と制度融資などの支援によって、中小企業の皆様が、生産活動を維持、拡大できるよう支援を行い、本市産業の活性化を進めてまいります。

起業家・ベンチャー企業の創出

 「ものづくりは人づくり」と言われるように、将来の本市産業を担うのは本市で働く人であり、本市産業の発展にはこれらの人材が不可欠であることから、「産業を支える、多様な人材の育成・確保」のために、 産学官連携による人材プラットフォームの形成を促進するとともに、将来を見据えた多彩な人材を育成・確保し、都市の活力を支える産業力のレベルアップを図ってまいります。
 その一環として、次世代の本市産業を担い、地域産業に活力を与える起業・創業にチャレンジする起業家を育成するため、起業・創業の入口から出口までの一貫した支援を行っており、今年度から、宇都宮大学と合同で起業家養成講座「起業の実際と理論」を開始し、チャレンジ精神溢れる若者を育成しているところです。

百年後の都市の繁栄に向けて

 めまぐるしいスピードで大きく変化する経済情勢を乗り切り、本市が百年後の都市の繁栄を実現してゆくためには、地域経済を発展させ、地域間競争に打ち勝つことが重要であり、とりわけ、産業力の強化は欠かせないものであります。これからも、地域経済の活力である本市産業が、社会経済のボーダレス化・グローバル化などに対しても揺るぎのない、持続的な発展を遂げていけるよう、市民・事業者・行政が一丸となって取り組んでまいります。

宇都宮市役所

〒320-8540 栃木県宇都宮市旭1-1-5
産業政策課 028-632-2442 商工振興課 028-632-2433
URL http://www.city.utsunomiya.tochigi.jp

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栃木の活性化の起爆剤に。